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こんにちは。翻訳のたかもりです。
先日、東京・千代田区内にある旧中学校校舎を改修して誕生したアート・スペース、3331Arts Chiyoda で開催中の企画展示、『大友克洋GENGA展』を観てきました。

大友克洋といえば、日本の漫画界に「手塚治虫以来の衝撃」を与えたとも評される超のつくビッグネーム。本展はデビューから39年(!)を迎えた彼の、初期から現在に至る作品を集めた初の総合原画展です。会場の過度の混雑を避けるため、入場は日時指定の予約制となっています。
展示スペースは壁から柱から白一色のシンプルなデザイン。そこに整然と並べられた原画群は、まさにアートそのもの。一見シュールな内容を極限までリアルに、緻密に描く大友作品の真髄を心ゆくまで堪能できました。今さらながら大友先生、クオリティ高すぎです・・・。また会場で流れていた音楽(by 蓜島 邦明)も、作品の持つどこか無機質な感じと見事にマッチしていてよかった。ファンならずともその世界に引き込まれる(たぶん)、素晴らしい展示だったと思います。
そうしたなか、やはり圧巻だったのは大友作品中最大の長編『AKIRA(アキラ)』の全原画展示ですね。連載期間7年半(1982~90年)、単行本全6巻というボリュームに収められた原画はおよそ2300枚(『GENGA展』ウェブサイトより)。この膨大な数の生原稿が、仕切りのあるガラスケース内に一枚ずつ水平に置かれた状態で来場者の目に飛び込んでくるわけです。めくるめく体験とはまさにこのこと。漫画の読み方としては間違いなく、最も贅沢な方法といえるでしょう。退場時間が決まっている関係上すべてをじっくり読むのはさすがに無理ですが、個人的に好きないくつかの名場面については原画ならではの迫力をしっかりと目に焼き付けてきました(よく見るとコマの外側にアシスタントへの指示、もしくは編集者とのやりとりと思しきメモ書きなんかも残されている)。
それにしても、小学生時代、貪るように読んでいたあの『AKIRA』と、こんな形で再会する日がこようとは・・・。一昨年観に行った『水木しげる展』でも同様の感想を持ちましたが、子供のころの記憶に残っている漫画の生原稿を大人になって拝むときの感慨には、やはり格別のものがあります。

↑ 来場者が備え付けのペンで自由にメッセージを書き込める壁面スペース。
大友先生自身も来場して、一筆書いてくれてます。隣でペンを走らせている方も同業者なのでしょうか、めちゃくちゃうまいです。ちなみに描かれているのは大友作品『童夢(どうむ)』の名場面。主人公が超能力で敵役を〝ズン〟と壁にめり込ませているところですね。
大友先生は宮城県出身。昨年の東日本大震災を受け、漫画家としての「私なりの復興支援になる」との思いから今回の『GENGA展』開催を決めたそうです。入場料の3分の1と、展示に関連して行われるチャリティオークションの落札金額が、東北で被災地復興に取り組んでいるさまざまな団体の支援に回されることになっています。
『大友克洋GENGA展』の会期は今月30日まで。 国内のみならず海外のオタクどもをも熱狂の渦に叩き込んだその圧倒的なセンスと技量を、ぜひ生原稿という現物を通して味わってみてください。




(地図)



by eigo
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